灰色の白子

2012/02/14 23:52

 

願いは、半分聞き届けられた。危ないので、個人には、そのようなものは貸していない。たっての頼みなので今回だけは、明日の朝8:00までに事件発生しなければ、私どもが行く!これでいいですか?との事。
それしか方法が無いのであれば仕方なしに承諾した。
悲痛な鳴き声は一晩中続き、私の不安を盛り上げまんじりともしない朝を迎えた。
朝の8:00時、玄関の呼び鈴で飛んで出た私を迎えたものは、なんと、大きなレスキュー車2台と銀色のレスキュー隊の一行だった。
物々しいそのいでたちに近所の野次馬が出ていた。
私も唖然としたが、先ずは猫保護優先とばかりに、現場へ向かった。もう鳴き声は止んでいた。凍えてダメになったのでは?
など不安が口元まで上がって来た。
レスキュー隊は、猫の習性などお構いなしに、ドカドカとボロアパートの屋根に登った。いた。しかし、パニックになった子は、逃げ惑い、ついに端っこに追われて、つぎの瞬間、宙を飛んだ。下に落下したら一巻の終わり!


しかし、隣のアパートのベランダに飛び移る事が出来た模様だとレスキュー隊員は話した。野次馬には、そのアパートの住人も居て、入口のロックを開けてくれ、私は、飛び移ったベランダのある部屋をノックした。居て欲しいと祈りながら。
居た!直ぐに部屋に通してくれて、ベランダを開けた。
猫はベランダにおいてある夏のタープの陰で、震えていた。私が手を掛けるのが飛び移る瞬間より一秒くらい早く、捕まえる事が出来た。

猫は興奮して、瞳孔が開き、私をまともに攻撃した。腕をやられたが離すわけには行かず、血が流れるままに決して離さず、家の中に入れて、バスケに放り込んだ。

レスキュー隊員は、そんな私をみて、救急車を呼ぼうと呼びかけたが、断り、先ずは、お礼を言って帰ってもらった。

消防署に取り迷惑な事この上ない行為だったろうと今でも、頭をあげる事が出来ない。

私は、といえば、血が流れたおかげで、ばい菌は深くはいらずに済んだ。まあ、予防注射も効いたような気がする。
傷口は、ここ1〜2年で、消えた。

その猫を医者に連れて行く時になり、ようやく猫自身も落ち着いて来た。
一日入院して、検査などをしてもらい、避妊の有無、ワクチン摂取、全て完了して、家の中に入れた。

2〜3日後、見違えるような白いツヤツヤの毛に変わった猫!
それが白子と名付けた理由である。

続く

カテゴリ: その他    フォルダ: 猫日記

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